2.1.2 Lankoski and Björkによる整理
Lankoski and Björk (2015)
ゲーム研究(game research)の方法についての概説書。
Ivoryと似た区別をしている(④⑤はIvoryにはないが)。
① ゲームを対象にした質的アプローチ(Qualitative Approaches for Studying Games)
② プレイとプレイヤーを対象にした質的アプローチ(Qualitative Approaches for Studying Play and Players)
③ 計量的アプローチ(Quantitative Approaches)
④ 混合型(Mixed Methods)
⑤ 研究のためのゲーム開発(Game Development for Research)
このリストの①~③は、Ivoryの①~③におおむね対応しそうに見える。しかし、②と③についてはだいたい対応していると思われるが、①は明らかにずれている。
というのも、Lankoski and Björkが①で想定している研究は、Ivoryが言うような「批判的」「カルチュラルスタディーズ的」な研究ではないからだ。
Lankoski and Björkはしばしば①を「形式分析(formal analysis)」と言い換えているが、それはゲームやゲームプレイの構成要素とそれら要素間の関係を、それを取り巻く文脈(プレイヤーや文化)からは独立に、分析・記述することを指しており、明らかにIvoryの①と異なる。